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寄生虫名 Microsporidium cypselurus(トビウオ筋肉微胞子虫)
分類学 微胞子虫門、微胞子虫綱、微胞子虫目
宿主名 ハマトビウオ(Cypselurus pinnatibarbatus
寄生部位 体側筋肉
肉眼所見 筋肉内に微胞子虫の小シスト集塊(最大3-4 mm)が形成される(写真1)。シストの集塊は紡錘形で、白色である。
寄生虫学 シスト内部に多数の胞子が形成される(写真2)。胞子は卵形ないしは洋梨型で、長さ3.7-4.8(平均4.1μm、幅2.1-2.72.2μm。担胞子胞(sporophorous vesicle)の形成は未確認。
病理学 筋肉組織内のシストは宿主由来の薄い結合組織に被包されており、内部で胞子形成が行われる。寄生部位に筋肉融解は起こらない(Yokoyama et al., 2002)。
人体に対する影響 人間には寄生しないので、食品衛生上の問題はない。
診断法 シストをつぶしてウェットマウントで胞子を確認する。標本はスメアにしてUvitex 2B染色し、蛍光顕微鏡で観察する。染色された胞子は、紫外光で青い蛍光を発する。
その他の情報 屋久島で釣られたハマトビウオ1個体から見つかった(Yokoyama et al., 2002)。
参考文献 Yokoyama, H., S. J. Lee and A. S. Bell (2002): Occurrence of a new microsporidium in the skeletal muscle of the flying fish Cypselurus pinnatibarbatus japonicus (Exocoetidae) from Yakushima, Japan. Folia Parasitol., 49, 9-15.

または

写真2.M. cypselurusの胞子

写真1.ハマトビウオの筋肉にみられた多数の微胞子虫
シスト